中華そば屋 伊藤

 言わずと知れた煮干しラーメンの最高峰に位置しているお店。中華そば屋伊藤で中華そばを頂いて参りました。こちらのお店は、最近銀座や浅草に支店が出来る程の人気のお店です。アクセスは支店の方が、いいのでしょうが、本店に伺いたくめでたく初訪問となりました。

 

 ちょっとアクセスしづらい場所にあります。王子駅からバスか王子神谷駅から徒歩となります。私は王子神谷駅から徒歩で行きましたが、初めて行く場所でもあるので軽く迷いまして、25分くらいは彷徨ってました。

 

 住宅地をずんずんと進んで行くと、豊島商店街が姿を現しました!どの駅からも遠いこの場所で昔ながらの商店街が息づいている感じです。そして商店街についてからも、お店の前を通っているのに気づかず、スルーしてしまいました。それもそのはずで、お店がさりげなさすぎるのです。看板は出ていなく、引き戸にひっそり伊藤というシールが何枚か張られているだけ。ここだよなと思いつつ、思い切って扉をガラガラと引きました。時間はお昼の営業が終わる四時少し前。

  そこは、カウンターとテーブル席が2つというシンプルな作りの店内。先客は平日昼なので、一人。近所の方と思われる、推定50代のおば様が、静かにラーメンをすすっています。カウンターにかけまして、メニューを悩みます。目の前には肉そばと中華そばというお品書き。潔いメニューですね。シンプルな中華そばを選び、店主に注文します。お値段は550円。とてもお安い。

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 店主の方がカウンターの後ろにひっこんで、しばらく作業してくださいます。職人による仕事に胸が高まります。テレビを見ながら、待つ事しばし、至極の一品が運ばれました。スープも黄金色に光り輝き、散らされた煮干しの粉が表面に浮かんでいます。スープから顔をのぞかせた麺もつやつやとしており、美しいフォルムを形成しています。トッピングはネギだけという潔さで、お汁がかなり少なめな事に気づきます。後から知ったのですが、汁多めも頼めるようです。汁多め、麺大盛りともに150円ということです。

 

 早速スープを頂きます。これは、煮干しの良い意味でのえぐみが感じられ、かつ上品にまとまっているスープです。化学調味料を使っていない、自然の深い味わいが極上です。讃岐うどんもいりこ、すなわち煮干しで出汁をとりますが、それよりもスープの味の輪郭がしっかりとしています。麺は、ポキポキとした食感がたまりません。麺カタで頼まなくても、すごく固い仕上がり。個人的にかなり好みです。自家製麺は加水率少なめの小麦の味がしっかりと感じられるタイプ。中細の固めの麺がすごくスープに合っています。汁少なめということもあり、飲み干し完食いたしました。他のトッピングがいらないのが納得の完成度の高いラーメンでした。

 

 完食した時のお客さんは私一人ということもあり、店主の方としばし談笑いたしました。どこからいらっしゃったんですか?遠かったでしょう?と声をかけて頂き、優しい店主のお人柄も魅力に感じました。お持ち帰りのラーメンも販売しているらしく、ご近所と思わしき女性が、「あるかしら?あら残念。売り切れなのね。」と帰っていかれました。これだけの有名店でありながら、地域の皆様にも親しまれ愛されているお店なのですね。

 

 今度は肉そばを頂きに参りたいです。